とえ

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオスのとえのレビュー・感想・評価

4.0
1999年にヴェンダースが監督した「ブエナビスタ・ソシアル・クラブ」から18年

それぞれが、ブエナビスタ・ソシアル・クラブで演奏するようになるまでの軌跡と
世界中でブレイクした当時の熱狂ぶり
そして、その後の彼らを描く

何よりもまず、前作から18年も経っていたことに驚いた
時が経つのは本当に早い!

私の心に残る前作の印象は
「キューバには驚くべき高齢の音楽家たちが、心の底から音楽を楽しみながら演奏してる」
というものであり、
ファンキーなおじいちゃんたちの記録というものだった

この続編では、彼らの演奏だけでなく、キューバの歴史や音楽のルーツにも触れ、
より深くキューバ音楽について知ることができる作品になっている

そもそも、キューバはスペインに占領されていて、そこに彼らのルーツとなる黒人が奴隷として連れてこられ、
そこから黒人音楽の重要な楽器だった太鼓が禁止された結果、キューバ音楽という独自のジャンルが生まれていく

その歴史には、知らないこともいろいろあって、とても興味深かった

そして、やっぱり、彼らの心にはいつも音楽があって、楽しそうに演奏する姿は変わらないし、そんな彼らの姿には、観ているこちらも楽しくなってくる

その中で私が最も感動したのは、彼らがホワイトハウスに招待されて演奏した時だった

すごく月並みだけど
音楽には、時間も言葉も政治も超える力があって
主義主張や、思想、宗教、性別など
あらゆる面で、全く違っている2つのものを結びつけることができるんだということを再認識し、
彼らの演奏がそれを立証していた

そして、やっぱり、すごく元気な彼らにたくさんパワーをもらってきた
いくつになっても、好きなことに一生懸命な彼らが素晴らしくかっこいい!!

人生の全てを音楽への愛にかけた彼らをやっぱり大好きになった
とえ

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