木葉

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオスの木葉のレビュー・感想・評価

3.8
キューバ音楽の歴史を人気ミュージシャンを通して紐解くドキュメンタリー。不遇の時代が長く高齢で成功した彼らのサクセスストーリーを追いながら、成功後の人生がどう変わったかに迫っているのも見どころの一つ。
2000年に日本で公開されヒットしたのが‘始まり’だとするならば、これは‘終焉’。遅咲きの彼らも歳をとり、中には亡くなった人も。しかし彼らは繋いでいこうと、音楽を紡いでいく。何より彼らにとっては音楽は生きるのに欠かせない、ご飯より大事なもので、自然に湧き上がり、愛と呼べるようなものだから。
キューバ音楽はアフリカの黒人音楽に植民地としたスペイン、20世紀にアメリカのジャズが加わり独特の進化を遂げてきた。
差別があり奴隷音楽であった時代、彼らは、音楽を作りそれを奏でることで支えられて来た。ただただ仲間と共に楽器を弾き歌った。18年前に比べれば歳を取りすぎたかもしれない、けれども生きている限りは歌を歌い楽器を弾き人生を楽しむ。人生はいつだって青春だ。時代は流れ、皆歳を取り変わっていく。しかし変わらないものもある、いつもそこにある温かさ、音楽への情熱、彼らの絆、それぞれの魂宿る思い、これだけはいつまでも色褪せることなく引き継がれていくのだろう。
木葉

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