キューバのイカした爺ちゃん達とのスクリーンでの再会。
そして、別れ。
伝聞にてその訃報は知ってはいたものの、やはり改めて劇中でその最期に触れると喪失感に胸が痛みます。
しかしそれでも、自分もこんな風に生きていきたい。そんな思いに駆られるのは本作でも不変。爺ちゃん達が旅立っても、音楽は続いてく。
単純な「ブエナビスタソシアルクラブのその後」という構成に留まらず、前作の背景やバックグラウンドもしっかり活写されていて、より「ブエナビスタソシアルクラブ」という作品に厚みが加わるファン必見の作品。
ヴェンダース特有の旅情性を感じられたオリジナルより、より本来の意味でのドキュメンタリーとしての色合いが強いと思います。
「なぜ、この音楽を楽しめるの?苦難の唄ばかりなのに」
というオマーラの言葉はしっかりと受けとめたい。
音楽に国境はない、とは言うけれど、ただエンターテイメントとして音楽を消化するだけでなく、その音楽の生まれた場所、演奏する人達の文化や歴史にも敬意を払い、学ぶ事も忘れてはいけないと、改めて思う。
それは音楽だけでなく、映画にも当てはまる事なんじゃないかな。