まつこ

マルガリータで乾杯を!のまつこのレビュー・感想・評価

マルガリータで乾杯を!(2014年製作の映画)
3.4
ある親子の愛の物語。

明るく前向きに過ごしていても嫌でも感じさせられる障害。進学や恋に悩むどこにでもいる女の子なのに。

そんな彼女が誰かに必要とされたくて飛び越える性の壁。カミングアウトしようと思い悩み、いつも包んでくれた母からもやがて旅立たなければいけない日がやってくる。

タブーばかりなのに瑞々しくて、障害を持つ方の周りの描写がやけにリアルだった。監督のインタビューを読んでみたら障害を持つ従妹から着想を得たと知り、なるほどなと思った。
個人的には母パートのエピソードが盛り込み過ぎというか、ちょっとあざとさを感じてしまってハマりきれなかったのだけど、少女の苦悩の描き方は丁寧だったように思う。

キャストの演技がとてもいい。難しい役所を演じたカルキ・ケクランもすごかったけど、盲目の彼女を演じたセイヤニ・グプタのとても女性的で柔らかいのに芯の強そうな眼差しが素敵だった。お化粧をするシーンや彼女がお母さんと衝突したエピソードを語る姿が特に好きだったな。

「♫ドゥソクテーーー」がなんとなく耳から離れない。

久しぶりにマルガリータを飲みたくなった。塩気が今の時期に丁度いいかも。「withストローで😎✨」なんて頼むのはちょっと気恥ずかしいけど。
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