Mina

彼女が目覚めるその日までのMinaのレビュー・感想・評価

彼女が目覚めるその日まで(2016年製作の映画)
4.2
観る前の印象と観終わった後の感想が全く違う作品。邦題とパッケージが詐欺スレスレだと思う。原題の"Brain on Fire"は完璧なタイトルなのでこっちを今からでも採用しようよ。だけどすごく良い映画であることには間違いない、観てよかったと心から思えた作品。実話を基にしているため、人間関係等々とてもリアルで自分がどの立場にいても不思議じゃない、と思いながら観てほしい。

難病の彼女を支える恋人の感動ラブストーリーかな?と、苦手なジャンルだけど昔Clipしてたのを消化したくてレンタル。もちろんそういうストーリーであることは否定しないけど、それよりも病気の恐ろしさとか、見過ごせない映画のメッセージが重く、考えさせられる作品だということを強調したい。『精神疾患だと誤診され、正しい治療を受けられなかった脳疾患の患者は一体どれほどいるのか。』確実な治療法があるのに、心の病だからと体に閉じ込められたままの人もいるのかもしれないと思うとゾッとする。

それと同時に、症状は似ているのに病名が変わるだけで受けとり方が変わってくるような、社会全体の意識になんとなくもやもや。家族が、「統合失調症でも双極性障害でもなかったんだ!」と喜ぶ姿が、自分だってもしその立場なら同じような反応するくせに、どこか引っ掛かってしまう。ポジティブな感情だけでは決して観ていられない、だけどもっと多くの人に観てほしい。
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