地底獣国

500ページの夢の束の地底獣国のレビュー・感想・評価

500ページの夢の束(2017年製作の映画)
3.6
そういえばダコタ・ファニング主演でお気に入りの本作をまだレビューしてなかったのでこの機会に。

主人公ウェンディは自閉症を抱えていて、以前は姉のオードリーと同居していたけど今は(姉の妊娠を機に入所することになった)グループホームで生活しています。

ドクターマッコイの娘の名前を即答できる重度のスタートレックマニアで、オリジナルシリーズ(宇宙大作戦)の再放送を見るのが日課のウェンディは、放送開始50周年のシナリオコンテストに応募すべく大作を執筆していました。

このコンテスト、何故かwebではなく「印刷された原稿」をパラマウントスタジオに郵送するように指定されていて、ギリギリまで直してから送るつもりだったウェンディはその直前にオードリーと口論になったのがきっかけでパニックを起こしてしまい、原稿を出しそびれてしまいます。

というわけでウェンディは「原稿を直接スタジオに届けに行く」決断をします。と言っても20歳そこそこの女性が1人(と一匹)で旅をするというだけでも結構大変、まして自閉症掛抱えてバイト先に行くだけでもひと苦労しているウェンディにとっては“boldly go where no one has gone before”といった心境だったかも。

果たしてウェンディは受付が終了する火曜日の17時迄に原稿を届けることができるのか?というお話なんですが、前述の応募要項とかも含めて「イベントを無理矢理起こそうとしている」感が強くて話運びが上手くないよなぁという印象。もっとシンプルに「世間一般ではなんて事なくても彼女にとっては大変な冒険」っていう進め方で良かったんじゃないのかという気もするんですがしかーし!

そういった残念ポイントがありながらも本作が我が心の一本となった理由は、後半登場してウェンディを保護するLAPDのお巡りさん!

ウェンディの警戒心を解くためにクリンゴン語で話しかけるとか、別れの挨拶に「カプラ!」とか卑怯過ぎる!本当はこれだけで500000000点あげたい!ここで涙腺決壊した同志がいたらローワーデッキやオーヴィルについて語りたい!

支離滅裂な文章になってすいません。もう少しだけお付き合いください。

おまけその1:ウェンディの書いた脚本、どんなストーリーなのか概要知りたくなる(タイムトラベルものっぽい)。ちなみに邦題の500ページっていうのは盛っててホントは427ページ、45分のドラマなら9話分ぐらいのボリューム。

その2:今見返すとトニ・コレットがごく普通の役を演ってて妙な気分。トニー・レボロリもなんか好青年だし。ちなみにオードリー役のアリス・イヴはケルヴィン・タイムライン(JJ版)スタートレックシリーズのキャロル・マーカス役。

その3:原題のplease stand byはスタートレック劇中で使用頻度の高い単語で、本作ではウェンディがパニックになりそうな時に気持ちを鎮める呪文のようにして唱えます。
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