ジョジー

500ページの夢の束のジョジーのレビュー・感想・評価

500ページの夢の束(2017年製作の映画)
4.2
『スター・トレック』はその昔、レナード・ニモイさんがミスター・スポックを演じてた頃、テレビ放映されてるのを、何となく流し観してたくらい。最近の作品も観てないし、ほとんど何も知らないに近いんですが、何故主人公ウェンディが夢中になる物語が『スター・トレック』(以降スタトレ)だったのか、ちゃんと意味がありました。
自閉症の方は何かに秀でた才能を持っている人が多いと言いますが、ウェンディはスタトレに関して並外れた知識の持ち主! 訳あって姉夫婦と離れグループホームで暮らしている彼女。
ある日、スタトレの脚本コンテストの開催を知りますが、ひょんなことから郵送が間に合わなくなってしまい、ロサンゼルスのパラマウント社まで独り自力で届けることに。
ルーティン以外のことを勇気を出して乗り越えていくウェンディ。思いがけず一緒に旅をすることになった愛犬ピートに手を焼いたり、癒されたり。ルーティンをこなす時にはなかった勇気を振り絞ってる感が伝わってきました。
ウェンディがホームを飛び出してから、出会う人たちは善い人ばかりではないけれど、そんな中でも最初から彼女のことを理解してくれる人たちにグッときます。特に警官の彼!スタトレファンには堪らないシーンでしょうね。
唯一の家族である姉のオードリー、そしてホームでソーシャルワーカーとして彼女をみているスコッティ、彼女たちを心配させるのは良くないなぁと思いつつも、ウェンディの夢を応援してました。
彼女の脚本に込められた本当の願いは届くのか…。最後の最後まで見届けてないとね♪ 温かい涙が流れるロードムービーでした。良かった!

監督は『セッションズ』のベン・リューイン。あの作品では障がい者の性を描いていて、重いテーマながらユーモアに溢れてて良かったんですよね。
何と言ってもダコタ・ファニング! 旅をして強くなる姿も良かったですが、アルバイト先で“シナボン”を売る姿もめちゃ可愛かった♪ 難しい役だと思うけど、とても自然に演じてて惹き込まれました。『アイ・アム・サム』の頃とはまた違った魅力(当たり前だけど^^;)たっぷりで。まだまだ若い彼女、妹のエルちゃんとともにチェックしていきたい女優さん。
ソーシャルワーカーを演じたトニ・コレット、もう彼女については何も言うことないです。いつもどんな役にもなり切ってしまうところすごいし。彼女の出演してる作品にハズレがない気がする。
ウェンディの姉オードリーを演じたアリス・イヴをはじめ、優しい気持ちに溢れた映画でとても癒されました。忘れてた、愛犬ピートを演じた小さな役者のワンちゃんにも♪
ジョジー

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