素晴らしかったです。
ダコタ・ファニング、天才。
彼女の不安や葛藤や動揺や勇気に、常に心を揺さ振られ続けた。
自閉症であるウェンディが、踏み込んだことのない未経験の世界に飛び込む姿には、どうしたって感動を覚えてしまう。
400ページを超える脚本を書くのだけでもめちゃくちゃ大変なのに、郵送ではなく自力で、遠く離れたロサンゼルスのパラマウント・ピクチャーズに届けるだなんて。
ひとつ先のブロックへの横断歩道でさえ渡れない彼女が。
(なぜなら…)
それを心配し、手を差し伸べる、姉や施設職員の気持ちにもしっかり共感。
「はじめてのおつかい」に近い感覚だったかも。
道中の心無い奴らには心底憤慨し、愛犬のピートには笑顔にされっぱなしになるという…
ええ、すっかり作り手の思う壺ですよ。
我ながら良いお客さんでした。
大満足。
ウェンディが書いた脚本の「スター・トレック」が、とても観たいです。
・モチーフである「スター・トレック」は、J・J・エイブラムスが監督でクリス・パインが主演した2作しか観ていないもので、まったく詳しくはないのだけれど、それでもファン同士の「わかる世界」には胸が熱くなったし、現実世界とのリンク具合が巧みだし、あの挨拶したいです。
・妹のエル・ファニング(こちらも天才)と初共演するという「ナイチンゲール」が今から楽しみ。
・「ヘレディタリー」「ナイブズ・アウト」と、かなり濃い目の印象だったトニ・コレット先輩の、自然で温かな「リトル・ミス・サンシャイン」寄りの演技を久し振りに拝見することができて、やっぱり上手いなあ、振り幅すごいなあと、感心。
・個人的に「スター・トレック」をモチーフにした作品でお薦めなのは「ギャラクシー・クエスト」で、B級の匂いがぷんぷんしますが、どうか侮るなかれ、笑って泣ける超名作なので是非。