スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的イデオロギーガイドの作品情報・感想・評価

スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的イデオロギーガイド2010年製作の映画)

The Pervert's Guide to Ideology

製作国:

上映時間:136分

3.8

「スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的イデオロギーガイド」に投稿された感想・評価

哲学者スラヴォイ・ジジェクが有名無名な映画を通して持論を展開してゆく。「イデオロギー」がテーマということもあり、映画の深読みぶりが壮大かつ少々難解なところもあった。それでも、よどみなくユーモアを混ぜながら解説を進めていくので退屈しなかった。
もう一つ重要なのは、この映画のスタイル。映画のワンシーンを実際に映しながら始まる語り口は、シーンが終わったあと、スラヴォイ・ジジェクを映画とそっくりなセットに立たせて継続する。「ジョーズ」なら船の上、「タクシードライバー」ならトラヴィスの部屋のベッド。白黒映画だったら白黒映画の舞台で解説させる。様々な映画をmixしながらも全体のトーンがしっかりと収まっているように感じるのはこのスタイルのためだろう。
2015.04.28 新宿パークタワーホール(イメージフォーラムフェスティバル2015)

ラカン派のヘンタイ哲学者にして映画マニア(いわゆるシネフィル、ではないだろう)ジジェクによる屈折した映画講義。昔「映画芸術」の編集長だった小川徹という批評家がいたが、その人の「裏目読み」ってのを思い出した。とにかく観たまんまには解釈しない。裏の意図を読む。本作、「ジョーズ」の鮫はベトナム戦争後に自信をなくしたアメリカに対する外国からの攻撃、移民の流入を意味しているとか、その手の読みだらけ。かなり理屈っぽく難解な話も出てくるが、ザックリ言えば映像の背後に隠されたイデオロギーを探り当てる試み。正直真面目に受け取るべきなのかジョークなのか分からないが、ジジェクのパフォーマンスもあって終始全く飽きさせない(ディカプリオが海に沈む「タイタニック」のワンシーンをジジェクが演じております)。イメフォからソフト化希望。第1弾の「倒錯的映画ガイド」は出ている。