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ボヴァリー夫人のkojikojiのレビュー・感想・評価

ボヴァリー夫人(2014年製作の映画)
3.5
2014年 ドイツ/ベルギー 監督:ソフィー・バーセス 2022.08.30視聴-397
評価3.5
●ミア・ワシコフスカヤ(エマ ボヴァリー夫人)

 ボヴァリー夫人は過去5回映画化されているようだ。その中で私が観たかったのが、1991年クロード・シャブロル監督、イザベル・ユペール主演のボヴァリー夫人だった。
 
 イザベル・ユペールがボヴァリー夫人をどんな風に演じるか非常に楽しみだっただけに残念だ。もうこんな風にレビューは書こうと頭の中で下絵はでできていたのに。
 
何回か映画されていることは知っていたが、レンタル屋でボヴァリー夫人を見つけて、つい手を出してしまった。

 映画を見始めたが、待てど暮せど、イザベル・ユペールは出てこなかった。当たり前だ。違う作品なんだから。

 さて、この2014年版、そんなに悪くはない。主演のミア・ワシコフスカヤも熱演している。ただ、ボヴァリー夫人のストーリーがシンプルで、驚くような話でもないので、映画の良し悪しは、彼女の演技にかかっており、そう考えると及第点ではあるものの、素晴らしい出来とは言えない。
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『ボヴァリー夫人』は、ご存じのようにフローベルの代表作の長編小説だ。
 19世紀フランス文学の名作と言われている。
 田舎の平凡な結婚生活に倦怠した若い女主人公エマ・ボヴァリーが自由で華やかな世界に憧れ、不倫や借金地獄に追い詰められた末、人生に絶望して服毒自殺に至っていく物語である。破滅方ドラマだ。

 女性が魂の自由を求めて、不倫をし、着飾り、生活を変えていくが、結果的に彼女の自由さを理解できる男は周りにいなかったということが、彼女を破滅に追いやってしまう。
 逆にボヴァリー夫人のことを考えると、中流以上の医者の家に嫁ぎ、ある程度我慢すればそれなりの生活は維持できる。夫は確かに仕事人間かもしれないが、映画では、特段ひどい夫も思えない。

 彼女が今の生活の延長線上で幸福になるための行動をすれば、自然とその生活になれ、平和な生活は送れたのではないか。そう思えてならない。 
 
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