『ボヴァリー〝夫人〟』である以上、彼女は主人公であって主人公でない。ここまでわかりやすい演技はあるまいレベルで、「よき夫」と財産に囲まれながらボヴァリー夫人が笑っていない。
(ボヴァリー氏はよき夫でもよき医者でもない。夫人のことをまったく知る気がない奴。美人と結婚できてあぐらかいている)
エズラ・ミラーが救い。原作だと馬車のなかでお楽しみなんだっけ
ところがラスト30分、際限なきワガママが夫人から出るとは。極端。不快。男たちの気持ちも職場も金もお構いなし。夫人自身の考えがあるわけでもなく、身勝手すぎる。
「君に貸す金はない」という断りのセリフ、的確で冷たく、突き刺さる言葉だなーと感心した。男側もさすがにそこまでバカじゃないよと。
1933年ルノワール版を観るべきだった
年内にあと42