じぇれ

ヴァレリアン 千の惑星の救世主のじぇれのレビュー・感想・評価

3.5
【ゆる~く楽しむスペースオペラ冒険譚】

ハリウッドで信奉されているシド・フィールド理論を無視したプロットゆえ、導入部は冗長に感じます。どこに連れていかれるのかわからぬまま、ふわふわしている感じ。
なので、評論家から酷評されたのも納得。

しかしですね、ベッソンはわざとやっているわけです。冒頭10分で主人公の人となりを説明するキマリなんて誰が決めたんだ、と言わんばかり。
わざと10分間主人公を出さないという企みなんですね。

これは、原作コミックに触れた子供の時の衝撃や興奮を、観客にも疑似体験させようとしているのでしょう。
オープニングで少しずつ未来へと誘い、唐突に衝撃的な事件現場に観客を放り込みます。その困惑こそがベッソンの狙い。

本作を楽しむためには、まずはハリウッド式エンターテイメントを求めないこと。
ベッソンが見せる世界に身を任せ、ゆる~く楽しむ。これが大事!

そうすれば、おもちゃ箱をひっくり返したような無邪気な冒険譚に、時に戸惑い、時にワクワクドキドキできるはず。

豪華なカメオ出演も楽しいので、ゆる~くベッソンの脳内を冒険しましょ(^_-)
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