中国ではスターウォーズが不評で、予定を大幅に繰り上げて上映を終了しているらしいです。その理由のひとつとして、中国人の観客は派手な映像が好きで、地味目な印象のスターウォーズはウケがよくないのだとか。
「ヴァレリアン」はそんな中国人の方もきっとニンマリするに違いない極彩色の宇宙活劇です。
中国の会社が資本参加?してるのも関係してるのでしょうか。とにかく色使いが派手。たくさんでてくる宇宙人のデザインは多彩。序盤の巨大マーケットシーン、中盤の宇宙ステーションなど豪華なシーンが続きます。
CMにも使われてるヴァレリアンが壁をぶち破っていくところで、様々な宇宙人の居住エリアが次々と現れるところは快感!でも短すぎる!もっと観たかった。その他、巨大生物やらダンスシーンやらで目を楽しませてくれます。
しかし映画として観るなら物語の流れがよくなくて、観ていてイチイチつっかえる感じもします。クラゲとか他にいい方法があったんちゃうんかとか、ダンスシーン長いよなどなど。でもそれは大人から観たら「いらんだろコレ」と思うシーンは、逆に子供が観たら食いつきそうなシーンばかりなんですよね。エンドロールに流れる「父に捧ぐ」という一文にあるとおり、映画としての完成度より、幼いい思い出の中にある少年の心をくすぐるほうを選択したのでしょう。肩の力入った1回目みたときはうーんと思ったのですが、リラックスして2回目みたときは素直に楽しめました。
もうね料理で言うなら味付けより盛りつけ!ストーリーよりヴィジュアル!目の保養をするつもりで観にいってください。
「ヴァレリアン観た方がいい?」と聞かれたら、オススメするかどうかは人によります。
何か面白い映画を求めるだけなら同じスペースオペラの「ガーディアンズオブギャラクシー」のほうが圧倒的に映画としての完成度が高いです。たぶんこっち観た方が損しないこと間違いないです。
でも、SF小説やスペースペラが大好きで貪欲に追いかけたいという人には「ヴァレリアンはみとけ」って言いたいところです。