エクストリームマン

ヴァレリアン 千の惑星の救世主のエクストリームマンのレビュー・感想・評価

2.6
Bring on the beach!

正真正銘のリュック・ベッソン クオリティ。金もかかっていて役者も優秀なのに、あまりにも退屈。まぁ、デイン・デハーンが口の軽い浮気男というよりは、青春の鬱屈で念力使えそうな風体だから、既にキャスティングの時点でかなりミスを犯しているともいえる。実写でイーサン・ホーク、クライヴ・オーウェン、ルトガー・ハウアーからハービー・ハンコック、声優でエリザベス・デビッキ、ジョン・グッドマンまで出てるけど、彼ら彼女らがこの映画の惨状を救うことに貢献できている瞬間は特に無い。

プロット云々以前の問題として、個々の場面でそれなりの緊張感とか焦らしの演出をしない(できない)ことに由来した弛緩が積み重なって、全体として途方もないくらいどうでもいい代物が出来上がっている。場当たり的に組織人であることを思い出すヴァレリアン(デイン・デハーン)も、その場のエモーションでなんとなくの判断を下すローレリーヌ(カーラ・デルヴィーニュ)も、優秀なエージェントどころか、単なるバカにしか見えない。エンターテインメント作品なのだから、キャラクターの感情と行動原理は開始から終了までにAがBになる(あるいはAがCを経由してAに戻る)くらい単純な軌跡でいいのに、それすらできないのかと。映画は尺が短いからということもあるけど、必要な場面以外でキャラクターの言動や判断が邪魔にならないための最低限の措置だと思うけど。

日本のダメな特撮リメイク映画並にダメな映画だった。

あと、どうでもいいけど、副題の「千の惑星の救世主」は酷い。