中庭

ヴァレリアン 千の惑星の救世主の中庭のレビュー・感想・評価

3.3
気取らぬ明るさを装いつつも、同様に巨額の製作費を投じられた御大の『レディ・プレイヤー1』と比べ、切実な内容と出来栄えとなっているSF大作。
腕の先のみをロックされたヴァレリアンの、二つの空間を股にかける逃走劇は痛快。『レディ・プレイヤー1』の構造が超えられない壁を突き抜けるような展開だったなと思い返される。幕あいのようなシークエンスで颯爽と登場し暴れるイーサン・ホークの動き一つひとつからも目が離せなかった(あまり画面の中心に据えてはくれなかったが)。
一番好きだったのが、アルファ宇宙ステーションを捜索物目がけて一直線に突っ切る羽目になったヴァレリアンが、各居住区を壁をぶち抜きながら通り抜け(多元レイヤーの各構成を正確に目で追うことは不可能かついちいちファンシーなオチがある)、誤って宇宙空間に飛び出るまでの繋ぎの演出。爽快すぎるが故に、映画的な快楽を伴った感動だったかと問われれば、それはまた別の話。
カーラ・デルヴィーニュの、水着と一体化したような戦闘服兼普段着の衣装、あれは最高。
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