matchypotter

ヴァレリアン 千の惑星の救世主のmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.8
スゴいな、これ。情報量が多過ぎるな。

まず作った監督、リュックベッソン。
出演、デイデハーン、相変わらずカッコいい。
カーラデルヴィーニュ美しい、日本人が好きそうな外国の人の顔、すごくタイプ。

脇を固めるクライヴオーウェン、イーサン・ホーク。クライヴは『ジェミニマン』の時と同じくなかなか最近こういう使命感に燃えつつ何処かで間違っちゃう役が多いな。イーサン、あんた、その出方は間違ってるでしょ。さすがにもう少し仕事を選びなさいよ。

そして、まさかのリアーナ。そこでリアーナ来るか。でも結果として何か良い。妙に納得。しかも良い奴じゃないか。でも、結局誰なのか、判断が難しい。

時は今から400年ぐらい先の話?久しぶりに時間軸が“近未来”ではなく“遠未来”級の作品を観た。
この冒頭の導入部分、良いね。
時の流れと移り変わりを宇宙船のドッキングで現れる相手やコスチュームや人間側の変化でテンポ良くリズミカルにササっと表現。案の定、400年先の話はぶっ飛んでたが、この導入部分で幾ばくか救われた。少しはついて行けた。さすがリュックベッソン。

遥か先の話、400年後。
今から400年前は徳川幕府ができたぐらい。
当時徳川家康が、2019年頃はこうなってると想像していたか、いや絶対無理。とすると、もっと加速度的に進化、成長、増加してる今から400年後なんて、俺には想像することすらできない。イメージすらできない。

だからこの映画の設定なんて理解できなくて当たり前。むしろ、理解できないことを描いてることが逆に400年後を描くこととして正しいと思う。

では何でそんなぶっ飛んだ設定で、どうせ観てるこっちは理解できないのに詳細にまでこだわり、たかだか2時間の映像ぐらいで回収すらできないところまで世界観を広げ、関係ないところまであれこれ設定を作るのか。

それはきっととことん非日常的で非現実的な理解不能な世界を突き進めることで日常って何だっけ?現実って何だっけ?不変なものって何だっけ?変化しても良いことって何だっけ?みたいなことが、逆に浮き彫りになる、、、、、のだと思う。

少なくともデイデハーンとカーラのやりとりを見てそう思う。大事なことはいつでも変わらない。徳川が今の時代を想像はできないだろうが、徳川がやってたこと、昔から息づいていること、本質や大切なことは変わらず今もある。

相当なスケール感で、かなり情報量が多く、馴染めそうで2時間ぐらいでは馴染めないキャラや理解しにくい設定やシステムや世の中の常識みたいなのはあるものの、ついて行けなくなりそうだったらこの主人公2人のやりとりに集中すれば、置いてけぼりにはならない。

そういう意味では“遠未来”映画として、ついて行けない人をどんどんふるいにかけて脱落させるドS作品ではなく、遠ざけたり、迎えてくれたりする絶妙なラインの距離感をキメてる作品。
matchypotter

matchypotter