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猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)のyumeayuのレビュー・感想・評価

3.5
バッド・エイプ

旧シリーズに繋がるプリクエル・シリーズ(シーザー3部作)ここに堂々完結!

今作は過去2作(創世記、新世紀)に比べると重苦しく暗い雰囲気の作品でした。
家族を奪われたシーザーの復讐の物語ということもあり、常に猿(シーザー)視点で話が進み、人間は完全に悪役でしたね。
ラスト・シーンも含め、このシリーズがシーザーの物語だったということが明確になりました。

今作のシーザーは人間に妻と息子を殺されたことで、群そっちのけで復讐の鬼と化してしまいます。
猛然と馬で荒野を駆け巡り、復讐の旅に出る姿はまるで西部劇のよう。

気になって調べるとマット・リーヴス監督もその辺りは意識していたようで、クリント・イーストウッドの「アウトロー」などの西部劇を参考にしているとのことでした。
なるほど、確かにあの眉間にシワを寄せ、復讐と憎しみにかられるシーザーの険しい表情はクリント・イーストウッドそのものだ!

それにしても、シーザーをはじめとする猿達の存在感は凄かった。モーション・キャプチャーなので動きがリアルなのは言うまでもないが、その一つひとつの仕草や挙動だけで、セリフがなくても感情が伝わるところが素晴らしい。
考えてみれば物語のほとんどが猿ですからね、これでちゃんと映画として説得力がある訳ですから、これは凄いことですよね。
シーザーを演じたアンディ・サーキスはもっと評価されていいと思います。

人間側のキャストでいうと、ノバを演じたアミア・ミラーちゃんが超絶美少女でビビりました。
現在13歳(撮影時は11、2歳くらい?)ということで、これまた末恐ろしい才能が出てきたもんだとビックリしました。

今作でシーザーの物語は幕を閉じましたが、旧シリーズの前日譚とするには、実は随分と時間が開いているんですよね。まだまだチャールトン・へストンが不時着するまで時間がかかりそうです。
ということで、次のシリーズを作ることも可能ですよね。息子のコーネリアスあたりを主人公でどうですかね。
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