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猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)のblacknessfallのレビュー・感想・評価

4.0
この新シリーズの猿の惑星、創世記(ジェネシス)新世紀(ライジング)と尻上がりにかっこよくなってきてるから今度こそ映画館でと思ってたけど、結局レンタルになってしまった、、

聖戦記もやっぱかっこよかった。しかも構成が地獄の黙示録と大脱走の二部構成じゃねーかよ笑
ウディ・ハレルソンの徹底した猿排斥主義と壁への妄執はトランプへの皮肉だよね。最近、増えてきたけどマジであいつがアメリカをムチャクチャにしてるってことだね。
前作のライジングの影の主役が人間への果てしない憎しみに駈れた悪霊のようなコバ(超かっけー🐵)だったけど、今作はハレルソンの大佐だね。
強靭な指導力からくるカリスマ性で上官を殺し大軍を統べてる。
イモータン・ジョーとカーツマンを足してナチュラル・ボーン・キラーズのミッキーで割ったような居そうで居なかった魔性と狂気とニヒルな哲学を持った複雑なカリスマ。
マジでかっこよかったよ😎
こんなにかっけーのナチュボンとラリーフリント以来かも、好きな俳優なんで嬉しいぜ🎵

その猿排斥のカリスマ大佐に妻子を殺られたシーザーが復讐を挑む話。そこから例によって猿と人との共存、憎しみを乗り越えられるのか?みたいなテーマが浮上してくる。
対峙することで冷血残虐漢にしか見えなかった大佐の違った内面、何故今のようになったかを知りやるせない気持ちになったり、復讐に囚われるあまり知らずにコバようになった自分に気づき葛藤するシーザー。
この三部作はシーザーの物語なんでそれはとても妥当で興味深く観れるんだけど、そここそ、おれがこの新シリーズにそれほど熱狂できない理由なんだよな。

オリジナルシリーズは目線が俯瞰的で誰かの成長譚ではなくて他者を排斥したり、疑心暗鬼から争いを止められない人類への痛烈な批判だったんだよ。それは各作品がアメリカ史の風刺だったことでも明らかなように。
で、新シリーズは人類の犯した罪を一人の悪役の行動に矮小化して本質的なとこから目を逸らしてる気がしてならないんだよね。それは一作目の創世記で特に顕著。
なんか出来がいいだけに余計に歯痒くなるんだよ 苦笑
その不満は今作でも解消されなかったけどいい映画ではあるとは思った。夢中で観ちゃったし笑

あと今作が良かったのはシーザーの苦悩する話でシリアスで重いシーンが多いシリーズの中で笑えるとこが一番多かったとこ。
バッドエイプが出てきて大脱走になるあたりからラスト、今までで一番娯楽映画的快感があった笑

しかしウディ・ハレルソン。ここんとこスリー・ビルボードやスウィート17モンスターでの人情味のある役もよかったけど、やはりウディは人を殺したり、何ならかの観念に取り憑かれて爆走する役がいいな!
地獄の黙示録リメイクするならキルゴアかカーツマンやってほしい😀
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