にゃんこむ

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)のにゃんこむのレビュー・感想・評価

4.0
『猿の惑星:新世紀』から二年後、猿と人間との生存戦争がさらに激化したの地球が舞台。

人間に対する憎悪の大小はあれど、一枚岩かと思われていたエイプ(猿)の集団に分裂が見られるようになります。
猿達のリーダーであるシーザーは姿を隠し、コバのかつての部下はシーザーへの復讐心を燃やします。猿の中でも人間側へ寝返るものが出てきたり、猿達の秩序も壊乱状態。
さらには猿インフルエンザウィルスにも新事実がみつかり・・・・・・。

そんなカオスな状況で、やはりシーザーは仲間達の為に戦います。けれども、自分の家族が犠牲になったり、猿嫌いの冷酷な人間の大佐が猿に対する攻撃が激化するにつれ、かつてのコバと自分とが重なるシーザー。
三作品通して見ると、激動の中仲間達の為に身を削って戦うシーザーにだんだんと感情移入していきます。

今回のラスボスの人間側の大佐はとても冷酷で嫌な奴のように思えたのですが、後半になるとまた違った感情が湧き上がります。
人間VS猿の争いかと思っていたのに、裏切りや利害関係などが絡み合い単純構造では無くなってくるのです。
このシリーズを見ているとシーザーに感情移入してしまって、人間が悪いと思ってしまうのですが、人間も人間で生きるか死ぬかの瀬戸際で戦っているんですよね。だからこそそこに生まれるドラマには説得力がある。

ラストの情景はとても感動的。
猿の惑星という有名で壮大なSF作品を、シーザーという一人の猿に焦点を当て、リブートしたのは本当に良かったと思います。
ラストは本当にお疲れ様……とシーザーに声をかけたくなりました。
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