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キル・ビル Vol.1のtrickenのレビュー・感想・評価

キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)
4.1
2003年だからアクションはイマイチ古い(MCUやるろうに剣心には劣る)けれど、タランティーノの構図づくりとProduction I.G.のジャパニメーション感が抑えられたアニメーションによって、2020年現在でも驚きと新鮮さのある作品に仕上がっていた。
一つの映画の中に時空の定義がいくつもあるような奇妙な数珠つなぎ感はあるけれど、それも映画オタク監督ならではの味と言えなくもない。マカロニウェスタン、ハリウッドクライムアクション、アニメ、日本時代劇、ヤクザ映画、ジョシコーセー、ブルースリー、KUROSAWA……。内容と表現様式のあからさまな乖離が『キルビル』の特徴ではないか。

好きな点:
(1) 國村隼が出てること。未来の人が21世紀映画論のために『シンゴジラ』『コクソン』『キルビル』を見た時に、そこまでハリウッド進出俳優のようにみえないのに各国の映画にしれっと出てる國村隼の位置づけについて困るのではないか。
(2) ゴーゴー夕張が日本酒瓶ラッパ飲みで登場するところ。こんな登場の仕方とは知らなかった。
(3) 冒頭のナイフ戦からのミッションコンプリートまで。絵作りも台本も含めて、最もこなれたやりとり。ワザの基本はこういうところなんだろうなと感じさせる。
(4) あの謎の旅館。音楽のチョイスと歌う女子バンドが絶妙にダサくて良い。

ところでユマ・サーマンは沖縄から東京に行く際に銃刀法違反で捕まらないのだろうか。深く突っ込んではいけないかもしれない。
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