Ricola

サリヴァンの旅のRicolaのレビュー・感想・評価

サリヴァンの旅(1941年製作の映画)
3.8
映画が老若男女問わず大衆にとって楽しめる娯楽なのは、今も多少変わらないはずだ。

いつの時代でも、特に辛い時代にはどんな映画が求められているのだろうか?
そんなことを問う映画である。


映画監督のサリバン(ジョエル・マクリー)はコメディ映画の監督として成功を収めていたが、社会派の映画を撮ることを熱望し始める。
彼は現実社会を知るために、ホームレスに変装して旅に出る…。


正直最初の方は少し退屈だったが、後半からテンポが良くなっていった。

起承転結の「転」が来るのが遅かったけど、そこからが「これからどうなるんだろう?」とドキドキするようなストーリー展開だった。

そして物語に華を添える美女がヴェロニカ・レイクという女優さんで、この映画で初めて拝見したのだが思ったより親しみのある雰囲気だった。(役柄がそうだったのかもしれないが)
彼女の役が、ルビッチ監督の作品に出たかった女優志望の女性というのがなんかわかる気がする。(ルビッチ作品に本当に出ていそう)

辛い時代だとどうしても厭世的になるけれど、そればかりでは生きていけない。そんな時救いの存在になりうるのが娯楽なのではないか。

これから先の未来も、映画という娯楽産業が人々を楽しませていることを切に願いたくなる。
Ricola

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