男はくらいよ監督さそり

みちていくの男はくらいよ監督さそりのレビュー・感想・評価

みちていく(2014年製作の映画)
4.0
若い女性監督が女子高生映画撮ると、すぐ天才監督出現とかメディアが持ち上げるけど、これは本当に才能を感じさせる作品です!
撮影や編集にブレッソンを感じました!所謂女子高映画なのですが、淡々とした演技と演出は今流行の学園恋愛映画とは正反対の、日常をリアルに描いたものであり、少女たちは美少女でも無く、激したり叫んだり爆笑したり泣いたりしません。
これが現実の女子高生のリアルな姿だと思います。
日本でも『レディ・バード』みたいな佳作があったんですね。
そんなに日常がドラマチックな訳ない!普通はホレたはれたで全編が終わってしまいますが、ここでは一見地味な主人公も彼氏がいて体を噛んで貰っています。それも変態的な感じではなく、ごく普通の日常として。
登場人物全員の演技が素晴らしい!メジャーな日本映画の演技と全く違うぼそぼそとしたしゃべりと動き。いじめの様な部活内の対立もバイト中の同級生との会話も自然です。音楽も盛り上げようとせず淡々として静かです。このような才能が突然出現する日本映画はまだまだ捨てたもんじゃないと思いました。
受けを狙ってない、本当に撮りたい題材を真摯に撮るという姿勢を日本映画界は見習って欲しい。これはみちていく月の様に輝いた映画だと思う。