何かが起こっているようで何も起こっていない、それがこのけだるい映画の雰囲気の中におけるすべてなのかもしれない、とおもいました。不思議な雰囲気の映画でした。僕はかなりこの作品が好きです、心をそれこそ軽く噛まれて痕をつけられるような、そういう痛みが残りますが、そこが心地よいのでしょうか。
新田、今は絶交された友達にどことなく似ていた上、彼女と遊んだときにプラネタリウムを提案されたことを思い出し、僕にしか関係のないそんな記憶が僕だけを苦しめるのでした。
なんだかそんなこともあって、観ている間に久々にチックの発作が激しく出てしまいました。僕にとっていつか身近であった何かがすでに遠い場所にあることを思い知らされたせいかもしれません。
痛みとともに身体に得られるもの、そして自分をすこしだけ支えるもの、そういう意味で僕もピアスを入れていますが、僕も、僕自身を何かとつなぎとめるような、そういう意味をどこかに求めているのかな、と思いました。