エクストリームマン

ゼイラム2のエクストリームマンのレビュー・感想・評価

ゼイラム2(1994年製作の映画)
3.3
『ゼイラム』と『ゼイラム2』の関係は、『死霊のはらわた』と『死霊のはらわた2』の関係によく似ている。

シチュエーションは違えど、主要な登場人物と展開は同じで、各パーツのクオリティを上げることに予算を使っている、言わば前作のリメイク的な続編。現実世界のドラマ部分はより削られて最小限になり、ひたすら「ゾーン」内での追跡劇と戦闘に費やされているので、製作者のフェティッシュがより前面に出ていると言えるかもしれない。

今作になって追加されたキャラクター:フジクロ(SABU)は、結局そこまで物語をかき回すことなく退場になってしまったのが残念。既に前作で狂言廻しとしての確固たる?地位を築いた神谷と鉄平の2人が引き続き登場しているので、そのポジションでは居場所がないし、かといって戦闘に参加すればイリヤ(森山祐子)の見せ場が減るしで、正直いなくてもよかったのかなと。

前作にあった気迫とか禍々しさみたいなものは減衰していて、代わりにエンタメ的な配慮が随所に見られる。あまりにも執拗だった前作ラスト付近とは打って変わって、本作ではおとなしく、真っ当に終わるのは、良くも悪くも前作が成功したからなのだろう。