ユカリーヌ

ボクは坊さん。のユカリーヌのレビュー・感想・評価

ボクは坊さん。(2015年製作の映画)
3.5
【過去に観た作品】2015.11.1

原作のエッセイをどういい切り口で映画化するのか、とても興味深かった映画。
   
高野山で修行したものの、書店員になっていた主人公が
祖父の死で、いきなり住職になり、檀家さんや地域、仲間、同業者との関わりの中で、
「僧侶」になっていく過程を丁寧に描いていた。
       
シンプルな坊主成長物語にしてあったが、坊主グッズや笑いも盛り込み、涙も誘い、仏教の教えをさりげなく盛り込み、
生き方を導いてくれる
ような映画になっていた。
      
原作にはない、幼なじみの男女を配置することで、女子はヒロインとして、後半のドラマティックな展開を演出。

イケメン男子は、僧侶が「理想」や「建て前」としたら、相反する「現実」や「本音」
として配置していた。
       
お葬式だけじゃない坊主の仕事、葛藤を示しつつ、最後は希望の残る終わり方で、
清々しい映画だった。
   
エンドロールに「特殊メイクスーパーバイザー 江川悦子」とあり、「ギャラクシー街道」でも特殊メイクを担当されていた方で、あれ、特殊メイクなんて、どこにあったの?
と思っていたら、監督が「伊藤さんの頭は剃ってないんですよ。特殊メイクです」と
おっしゃって、びっくり。

違和感は全くなかったけど、どうりでキレイだと思った。
    
   
上映後は、真壁監督の舞台挨拶。長編映画としては、第一号の作品。

企画は5年位まえにあったそうだが、「地味な映画なのでお金が集まらなかったが、高野山1200年にちなんで、スポンサーがついた」そう。

今治市と高野山でのロケだが、
お寺はもちろん、書店や病院も原作者が実際に関わっていた所でのロケだったそう。
    
パンフの裏に、真壁監督にサインをもらった。
   
原作本は、糸井重里の「ほぼ日刊イトイ新聞」ウェブサイトで、の人気連載をまとめたもの。ミシマ社出版。
   
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