シグのすけ

ディーパンの闘いのシグのすけのレビュー・感想・評価

ディーパンの闘い(2015年製作の映画)
4.1
スリランカの戦火から逃れてフランスで生きて行く三人家族。いや生きていく為に家族のふりをする家族を失った三人。

これは再生の物語なんだな。戦争描写とかは、なさそうだ。三人とも、とびっきりの善人ではなく自己主張もする。全くの赤の他人だから当たり前だ。そして少しづつ心が通って…なんて考えてたら違う展開に。

分かりやすく好みの映画だった。北野映画の影響を指摘する声もあったけど、そんな風には感じなかった。演技というよりドキュメントのようなリアリティを感じた。フランスのおしゃれ感全く無し。言われなければフランスと感じない。この集合住宅はもはやフランスではないのか。

何処にも行けず、やっとたどり着いた場所もまた思うようにはならない。無責任かもしれないけどこの三人はまだ良いかもしれない。彼らの陰には何万人もの亡霊が隠れている。

もしもっと不運だったら?仕事がなかったら?住むところがなかったら?よその国に逃げられなかったら?健康じゃなかったら?悪い大人がそばにいたら?

好みの映画だなんて軽々しく言うべきじゃなかった。
シグのすけ

シグのすけ