観た後もずっと考えていた。群像のひとつひとつを反芻しながら、未熟ながらも丁寧につなぎ合わせる作業をしていた。
それぞれの選択がひとつの結果に辿り着く過程が描かれている中で、エホバの証人が取り上げられていることにすごく移入して観ることができた。
「神はなぜ苦しみを赦しておられるのか」
聖書の知識として理解してはいるものの、この世界に生きている以上、その理解を超える感情が湧き上がる出来事と葛藤し、日々闘い続けながら救いを待つ彼らの描写。お互いを兄弟姉妹と呼び合う信仰で結ばれた家族。でもそこに疑問や反発は許されず、背けば斥ぞけられる。それでもその選択をした彼女はただ教えに従って生きるのではなく、本当の自分自身の選択をした。"血"を巡ってのそれぞれの葛藤が苦しかった。
人は生きていれば誰もが罪を犯す。その罪にどうやって折り合いをつけて生きるか、まだまだ結論は出そうにないけど、日々考えて生きないと。
今年観た映画で一番刺さった作品かも。
ドラン最高でした。