群像劇がとても好きで。
ポール・トーマス・アンダーソンの「マグノリア」はその最たる例。一見バラバラだった人達が実は繋がっていて、1つに集約されていく。
本作もまさに好みの群像劇なのだけど、
寝 落 ち し た ! !
2日目リベンジで何とか鑑賞。
ともにエホバの証人である看護師と、白血病に侵されているフィアンセ(グザヴィエ・ドラン)。彼は信仰の問題で輸血を拒み続けている。不倫に興じる老いたバーテンの男とクロークの女。アル中の妻とギャンブル狂の夫。悲しい過去を持つドラッグの運び屋の男。無関係に思えた人達は、やがて運命のキューバ行きの飛行機に導かれていく。
グザヴィエ・ドランが惚れ込み、出演を熱望したという脚本。
いくつもの物語が現在と過去を行きつ戻りつしながら、一つの終着点へと向かっていく。
前半はどうしても、それぞれの関連性が見えず淡々としているが、後半になると徐々に結び合わされていく物語から目が離せなくなる。
飛行機に乗る人
乗らなかった人
交差するエスカレーターが印象的。
飛行機が堕ちるのは、全能の神がいないからだ。
奇跡が起きなければ、神はいないのと同じ。
神の存在が揺らいでいる。
いや待てよ。
神が揺らぐのではない。
揺らいでいるのは人間の方ではないのか。
例えば月を見上げ、月が揺らいで見えたとして、月が揺らいでいる訳ではない。見上げている自分自身の足元が揺らいでいるのだ。
アルコール
ドラッグ
不倫
信仰
あらゆるものに依存し、揺らいでいる人間の弱さを見せつけられている様な気がした。
なかなか良く出来た脚本だけど、いかんせん自分のコンディションが悪過ぎて集中出来なかったのも事実。
やはり映画はお目目パッチリで観ないと、ね。