やっぱ最高やなパオロ・ソレンティーノ…。グレート・ビューティ鑑賞時はただただその高尚かつ斬新な映像美に飲まれ、「もしかしてリアルタイムでフェリーニの映画観た人ってこんな感覚やったんかなぁ」なんて呆けながら思ったっけ。
本作もグレート〜同様に視覚からたくさんの幸福感を得たけど、それ以上に「人生の黄昏時を迎えた元音楽家のじーちゃんがアルプスの高級ホテルで他のセレブ達と延々ウダウダくっちゃべってる」ってシチュエーションに異様にときめいてしまった。
面白くってずーーーっと聞いてたかったもん。ブルジョワ達が繰り広げるお上品と下衆のコントラスト抜群の無駄話。ちょいちょい声出して笑っちゃったし。大好き。
とにかく主役のマイケル・ケイン始め、ハーヴェイ・カイテル、レイチェル・ワイズ、ポール・ダノと、キャストが漏れなく素晴らしすぎた。彼らの存在が美しい映像に溶け込み、観てるだけでなんとも心地よく贅沢な気持ちにさせて貰った。
そして。
愛と無常感入り混じる極上のラストシーン。人生のグランドフィナーレ。泣いた。やられちまった。傑作。
