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サウルの息子のふーたらのレビュー・感想・評価

サウルの息子(2015年製作の映画)
3.5
サウルの息子

いや~、観てて息苦しくなる映画でした。

昔のテレビみたいな、正方形に近いスクリーンサイズの中、ほとんどがカメラのすぐ近くにいる主役の「サウル」の顔か頭が中心にピントが合って映ってて、その隙間から見えるピンぼけしたところから物語りが垣間見れるって感じ。
この演出が、あの映画のただならぬ緊張感を醸し出しており、「サウル」の心理状態にぐっと近づける効果を出しています。

それにしても、戦争が狂気を生み、その狂気の中でも人間の尊厳を探し続け、追い求める狂気を垣間見れた気がします。

良い映画でした。ってことは重々承知なんですが、この手の映画は、年に1本位で十分な感じ。

たまたまですが、8月6日という広島への原子爆弾投下の日に観られたのも、また運命。
来年の今ぐらいに、去年観た「野火」と2本立てで、どっぷりハマりたい気がする1本。

(2016/8/6 小倉昭和館 2号館)
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