強制収容所で、ユダヤ人殺戮の後処理に従事する同胞たち。
ゾンダーコマンドと呼ばれる彼等もまた、命の保証がない綱渡りの日々を送る。
酷い…酷すぎる。
サウル目線による地獄絵図。
直接的な残虐描写はないが、緊迫した息苦しさが伝わってくる。
薄暗い映像にBGMもなく、多言語が飛び交う様は実にリアル。
“コト”が済んだガス室を清掃する音が、耳にこびりついて離れない。
極限状態の中、息子と見られる遺体の埋葬に執着する男。
我が子を思う親心は、彼を命知らずな行動に駆り立てる。
サウルが見せた優しい笑みが哀しく、重い。