アキラナウェイ

ロブスターのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
3.7
前回までのあらすじ。

日々の忙しさからレビューの更新が滞りがちのアキラナウェイ。そんな時に観た「ミスター・ノーバディ」は、難解な哲学的描写で思考力は奪われ、数年来の寝落ちという失態までやらかす始末。次に観る映画こそは難解なものを避けると心に誓うアキラナウェイであった。

なーのーにー。

また意味プーで訳わからんちーな映画を観てしまったYo!
そしてこれもまた寝落ちしたYo!
2作連続寝落ちなんていまだかつてない!
やまだかつてない!
疲れてますね、確実に。

いや、「聖なる鹿殺し」を観ようと思っていたら、同じヨルゴス・ランティモス監督の「ロブスター」がNetflixにあるー!これは予習がてら観とくかと軽い気持ちで鑑賞スタート。

結婚し、子孫を残す事が義務付けられた近未来。独身者は身柄を拘束され、とあるホテルに送られる。ここで45日間以内にパートナーを見つけられなければ、自身が選んだ動物に変えられてしまうというのがこのホテルのルール。独り身となった男(コリン・ファレル)はホテルでの生活を開始するが、やがて耐えられなくなり、ホテルを脱出し森へ逃げ込む。そこではパートナーを求めていない独身者達が1つのコミュニティを形成し、男を迎え入れてくれた。

昔からコリン・ファレルが苦手で。
何かフェロモンが出過ぎていて、「俺ってイケてるだろう」感が顔面から醸し出されているのが好きになれなかった。なのに、このコリン・ファレルはどうよ!?枯れている…。お腹もでっぷりだ…。でも彼の抑えた演技は作品の空気感と非常にマッチしている。

パートナーを見つけられなければ動物に変えられるという謎ルール。ホテルの規則はそれだけでなく、かなり窮屈な生活を強いられるものばかり。

凄くシュール。
奇妙なストーリー。
繰り返される不穏な音楽。
でも不思議と嫌いではない。

もしパートナーが見つからなければロブスターになりたいという男。シュールだわ。

愛を求めてホテルを訪れた男は
愛から逃げ森を彷徨い
しかしまた愛を求め始める。

森の中での独身者コミュニティはある女(レア・セドゥ)がリーダーとなり、ここではイチャイチャ禁止!
なのに男は近視の女(レイチェル・ワイズ)に惹かれていく。

どっちなんだ!イチャイチャしたいのか、したくないのか、いやでもやっぱりしたいのか!個人的にはレイチェル・ワイズより断然レア・セドゥがいい!

僕らの世界の常識が通じないヘンテコワールドで独身を悪とする方も善とする方もどちらも支配的で両極端。
何だか訳わからん内にまたラスト数十分は睡魔に襲われ…。

寝落ちしたものの、この作風はやっぱり嫌いじゃない。
犬、兎、孔雀、ラクダ、森の中にいた動物達はパートナーが見つからなかった人間達だと思うと、何だか切ない。
ラストのレイチェル・ワイズも…切ない。

さぁ、お口直しで楽しい映画を挟んでロブスターの次は鹿だ!!