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ロブスターのminyamooomのレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
3.2
ランティモス監督3作目。

聖なる鹿殺しは一生に一度は見ておきたい作品だと思ったのだけれど、今作は奇想天外な設定に頼りすぎている感があって物語としては少し面白みに欠ける。マット・デイモンが小さくなる映画があったけど、あんな感じかな、最初は設定に、おぉ?と興味を引かれるけどうまく使いきれてない感じというか…。動物に変えられる、そしてコリンファレルはロブスターを選ぶ、てところでへぇ、と思うんだけども、後半にそれが生きてくる感じは特になし。でもまぁ、ただ殺されてしまうよりも寓話感が増すよね。(ちょっと前に伊勢海老をもらって自分でさばいたばかりだから、なんだか少し申し訳ない気持ちにもなった)

独身の者は強制的にホテルに送られて45日以内にパートナーを見つけないと動物に変えられてしまう‥という一種のディストピアもの。設定が突飛だけれど、わりと簡単に理解できて小難しく感じないのはさすがの一言。
あ、その犬、にいちゃんなのね。とすぐに納得する。
イメージとしては超厳しい婚活、て感じかな?結婚相手を見つけられなかったら動物にしちゃいますよ。
適齢期で独身だと、誰でもいいから結婚しなきゃ、この中から選ばなきゃ、みたいに感じるときがあるかと思うのだけれど、それをかなり狭い世界で、短い時間で決めなきゃいけない。
友達の話とか聞いてても、
もう、その人でいいやん!結婚しなよ!とか思う時って、あるよね?
髪の毛のキレイな女性と2人で話しているときに、え、もうその子でよくない?!
ポニーになるよりもうコリンファレルと結婚しちゃいなよ!!
て思うんだけども、やっぱりこの人と一緒にいよう、結婚してもいい、て思えるには何かしらきっかけが必要なんだよね。
好きな音楽が似てる、とか、趣味が一緒とか、あるいは鼻血がよくでる、とか。
そういう話よくするよね。結婚相手に一番譲れない条件ってなに?

主人公デイビッドがなぜかグッとくるのは、「近視であること」。
デイビッドが友人だったならば、かわいくて近視のこがいたら紹介するんだろうな。あの子、近視だよ!とかって。

婚活しなさい、結婚しなさい、と言われるとなんだか腰が重くなるけれど、
もう結婚とかしなくていいよ、一生独身でいなよ、なんて言われると恋愛したくなるものなのかな。

印象に残る場面は

お兄ちゃん犬が蹴られ続けて死んでしまうとこ、

彼氏がいないとき〜!彼氏がいるとき〜!のまるでコントな授業、

演奏会の時に、抑えきれずにキスしまくるところ(おいおいおい!と突っ込む)、

そしてラストシーン。

ランティモス3作品目だけど、どの作品もラストシーンのスッキリしなさがすごい。

わたしはもし動物にされるならなにがいいかな、なんて考えていたけれど、群れを成して暮らすわりとシュッとした動物がいいなぁ…なんだろなぁ…インパラとかかなぁ…
動物園で飼育してもらえるなら断然パンダがいい。キャーキャー言われたい。でもなぁ、パンダだと、好きでもない突然会わされた雄パンダと子供作らないといけなくなるのかなぁ
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