泣く子も黙る平和のアイドル

ロブスターの泣く子も黙る平和のアイドルのレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
3.6
静かで不穏で不気味な映画だった。
独身者は捕らえられて、ホテルに閉じ込められ、45日以内にパートナーが見つからなければ動物に姿を変えられるという世界観。
全然ファンタジーでも、ドタバタ動物コメディでもなくて、そういう不気味で狂った世界が当たり前のように淡々と描かれていて怖い。
ホテルのスタッフが感情もなく客を管理して、時には罰を与える様子は檻の中のよう。
一回も笑顔のシーンがなかったんじゃないかって思う。

不条理で理不尽なことだらけで、精神的にホラー映画だった。
けど静かで不気味で退廃的な世界観は少し癖になりそう。点数はもっと上がるかも、つけるのがむずい。

この世界のカップルはお互い(身体的、精神的な)共通点がないとダメなのかな?
相手に合わせて鼻血を無理やり出そうとしたり、わざと猟奇的に振る舞ったりとか、特に最後のナイフのシーンを見てそう思った。