独身者はホテルに連行されて、そこで45日以内にパートナーを見つけないと動物に変えられてしまうというディストピア。
みんなだいたい犬を選ぶから、この世界には犬があふれてるんだって。主人公はロブスターになりたいらしい。
私はリクガメになりたい🐢
前半のシュールな雰囲気が最高に好き。むちゃくちゃ笑える。
「誇張しすぎたテラスハウス」とでも言いましょうか😅
同監督の『籠の中の乙女』もそうだったけど、独自のルールと、それを言葉で説明せずに表現して引きつける巧みさ、ズレた感覚が醸し出すどこか哲学的な上品さと可笑しさ、「何を見せられているんだろう?」という不思議さと何だかわからない薄ら怖さ。
こういう感覚の作品は大好物です。
極端なファンタジーに見せかけて、実は現実社会での、恋愛・結婚についての本質を皮肉たっぷりに描いてる。
カップルになってからも一定期間試され、倦怠感が生まれそうになると子どもが派遣されるシステムっていうのも皮肉効きすぎてて笑える。
この映画の中ではパートナー選びにおいて「共通点がある」ということに異常に固執するんだけど、現実でも無意識にそれやってますしね。
「好きでもないのに好きなフリをするのはツライ。好きな相手にその感情を隠すよりも」
みたいなセリフが印象的でした。
森の中にラクダとかフラミンゴとか、場違いな動物がのんきにウロウロしてるのもシュールで好き。
あのシュッとした色男だったコリン・ファレルが、おなかタプタプのくたびれたおっさんになってたのが何よりビックリ!
私の中のコリン・ファレルは『フォーンブース』で止まっているので、おっさんになるのは当たり前かもしれないけど😅
調べてみたら、この役のために2か月で18kgも増量したらしいですね。スゴイです。本当に、冴えないおっさんにしか見えませんでした。
【ここよりネタバレあり】
後半は、主人公がホテルを脱出して、森の中で暮らす独身者たちのコミュニティに合流しますが、必死にパートナーを探す世界と、独身最高!恋愛NG!リア充つぶせー!みたいな両極端の価値観を描いているところが素晴らしいですよね。
観ている者に結末を委ねる放置プレイも好き。
エンドロールでの波の音もありますし、主人公はロブスターになることを選んだのでは?と思いました。私があの状況だったら、たぶんそうする。
ちなみに私も近視です😆