あもすけ

ロブスターのあもすけのネタバレレビュー・内容・結末

ロブスター(2015年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

独り身は許されず、期間内にパートナーを見つけられないなら動物にされ、逃げ出せば狩られ、狩れば期間が延長され、という制定されたルールに加えて、さらに縛られているものがあった。強制されながらどこを切り取っても地獄で、もう着る服とかすら反吐でるくらい気持ち悪くなる息苦しさから、逃れた先に待っていたのは、独り身を突き詰めることとしての束縛。あのパートナーを選ぶ基準もなんなのだろう、と思ったら、引っ張るのも、自ら降りるのも、そこがそんなに重要なのだろうかと思ってまた気持ち悪くなりながら、でも釣り合う釣り合わないとか気にしてしまうことを思えば、えーそういうことなのかも意地悪、みたくすごくキツい。独り身のダンスパーティーの異様さったらなくて、個々で勝手に踊りながら、でもぜんぜん自由でないし、どこにいっても地獄、ただ相性として重なるなら、ロブスターを選ぶ気持ちのなかにちゃんとあったはずなのに、こだわるのは近視だし、解放の道は人の方にはないのだろうか。こんなにがんじがらめに徹底した世界を作った上で、塞ぎ切らない僅かでも息できる可能性と思うと余韻憎かった。執着がものすごいから、隙間だけでちょっと解ける。
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