胸糞鬱不条理大好き

ロブスターの胸糞鬱不条理大好きのレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
3.5
ヨルゴス・ランティモス監督
「聖なる鹿殺し」で初めて知ったけれど、個性的で、この監督しかできない!という唯一無二さがあるな〜好き。

監督ちょっとふざけ始めました?と感じるようなシュールな笑いもふんだんに。

うさぎかわいい。


今回も世界には特殊設定(制限)がある。
その特殊設定を利用して、
打算抜きの素直な愛について、投げかけているように思う。

◆パートナーがいる世界
独身者は集められ、期限内にパートナーを見つける。
パートナーとは共通点が必要。
見つからなければ動物に変えられる。
とにかくそんなの必要?という細かいルールが多い。

◆独身者の世界
恋愛は禁止。
比較的自由は多い。
その分、自己責任の考えが大きく、助け合う事も禁じられる。

パートナーを見つける施設では、
共通点を捏造する者・愛していると言いつつ自分の命の為にパートナーを撃とうとする者等、どうにも打算的な人間が目立つ。
パートナーが見つけられなければ、動物にされてしまうというデメリットを避ける為に動いている印象を与え、
仮に動物にされるデメリットが無かったなら、貴方達はパートナーになったの?と疑問を抱かせる。

そして独身者の世界に行ったところで、これはこれでまぁ不自由でもある。
そして皮肉な事に、恋愛禁止ルールがある世界で主人公はパートナーを見つけてしまうわけで。

独身者のコミュニティにも居られなくなった二人は逃げ出し、町に行く。
恋愛禁止を破った報復を受け、彼女は失明していた。
愛の証明には共通点が必要。
主人公は自分の目を潰せるのか?
真実の愛を示すことができるのか?




エンディングを最後まで観ていると、
海の波打つ綺麗な音が聞こえてくる

今は人間?それともロブスター?



動物になるなら何になりたいー?で皆でキヤイキヤイしたい映画です。
私はクジラか象か狼か柴犬かポメチャンです!