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ロブスターのplimのレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
5.0
圧巻。
展開予測出来ないです。
神話のような芸術作品。
常にクラシックが流れ、構図や、カメラワーク、スローモーションなどの演出でルネサンス絵画を想わせる。

突如来る衝撃的なシーンの連続に揺さぶられ、グロではなく倫理観の欠如した描写が不快と恐怖を生む。
狂気的なシーンをあたかも当たり前に演じる事で、非日常的な世界観に簡単に観客を入り込ませる。

一見、可笑しな設定に思えるが、話が進むに連れ、反社会的な存在になってしまった主人公がどれだけの罪なのか、人知を超えたシーンの連続に好奇心をくすぶられ、興奮を覚える。

非日常的な世界観だからこそ、
途中の日常的な家族との会話や、買い物などの描写が違和感を生み、想像力を掻き立て、
ファーストシーンを見終わってから考えると意味が変わってくる。
人間同士はどんな姿でも完全に合致出来ない不釣り合いな生物であると。

不協和音とシュールレアリズムに頭を掻き乱され、ラストの選択と異様な間に余韻を残す。
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