みほみほ

ブーメランのみほみほのレビュー・感想・評価

ブーメラン(1992年製作の映画)
3.4
おふざけラブコメディかと思いきや、結構深い。久々にこんな気持ちになった。大人の恋であり、恋愛模様がとても現実的で描写が生々しい。恋人同士でのあるあると言いますか、あまりに見覚えのある生々しいシーンには思わず声を張り上げて笑ってしまうし、それを第三者として観る事で妙におかしくなる。前半は結構楽しいふざけた空気の方が強い。レディ・エロイーズなんか最高に面白い。

まぁ言っても… 奔放なのに自分の気持ちに従ってると正当化しながら 女に惚れては捨てて傷付けるクズ男の気持ちが私には分からないので、前半のエディマーフィーにはイライラするし、共感も何も出来ない。
ただの遊び人で どうしようもないクズ男だったエディマーフィーが、本当の愛に目覚めてしまってから立場が180度変わってしまう様なんかは面白いし、ざまぁみろとしか思わないんだけど、男って本当勝手だよなぁ…と色々思い返しながら観ていたら、、
なんとジャクリーンももっと上を行く、エディマーフィーより上手なしょうもない女だった。最初は賢そうに見えたジャクリーンだけど、お熱になるわけでもなく、あくまで恋愛は 楽しむものみたいなスタンスが強く見受けられたし、オフィス中に2人の情事を広めてしまうような口の軽い最低女だった。

が… 興味深いのは、自分に惚れてこなくて媚びないこういったタイプに出逢ったあとのエディマーフィー。逆に追いかけて自分を見失ってしまう姿を見ていると、私はうわぁ…嫌だなぁ…とうまくいかなかった時代を思い出し、少しセンチになった。

アンジェラみたいな真っ直ぐで自分の世界が強過ぎる天真爛漫な意志の強い女もあまり好きではないので、なぜ急にエディマーフィーがあそこまで愛を深め、執着したのか意味が分からないが、よう言う 愛に理由はないって事なのかな。

報われない人も出てくるし、見ていて心苦しくもなるけど、あくまでそんな人達の恋愛模様だから、人間って面白い生き物だなぁ…って他人事だと思える。

周囲にこんな女も男も居たら無理だけど、映画としては綺麗にまとまっていて、人の移り変わる心が馬鹿みたいに面白く分かり易かったので良かったです。

真面目な人の存在って貴重なんだなぁと、改めて感謝の気持ちも芽生えました。

最初は 赤のスーツのエディマーフィーが最高にイカしてて、いつも軽い役やってんなぁ!って軽い気持ちで笑っていたので、こんな気持ちになるなんて想像もしてませんでした。

後半はコメディではなく真面目なラブストーリーになります。(笑)

大人になって観ると、良いなぁと思えるタイプの映画だと思いました。

🌝2019年5本目🌝
みほみほ

みほみほ