垂直落下式サミング

X-ミッションの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

X-ミッション(2015年製作の映画)
1.7
『ハートブルー』のリメイクっていうか設定と話の流れだけ借りた新作アクション映画。エクストリームスポーツ犯罪集団に潜入するFBI捜査官を描く潜入捜査モノ。
この映画について最初に言っとかなきゃいけないのは、謳い文句のノーCGってのは嘘だってこと。勿論冒頭のオフロードバイクや命綱無しのロッククライミングは実際にやってるんだろうけど、岩山を爆破したり、大嵐の海に飛び込んだり、うーん。
『ヤマカシ』とか『アルティメット』みたいな、ノースタントの体技こそが見物な映画だと思ってたので残念。カットを割りすぎで何が起きているのか判り辛い。編集があまりにもイマドキアクション過ぎて、「これどうやって撮ったの?」とか「ホントに生身でやってるよ!」みたいな体張る系映画の感動が生まれない。
何かひとつでも1カットの映像で一連のアクションをみせて欲しかったです。現象と事実の羅列であるべき。飛行機からのスカイダイビングと、洞窟の中でパラシュート開くシーンは別撮りでしょ?あれを役者の主観映像で見せてくれたらそれだけで価値のある映像だったんですけどね。カットを割った瞬間映画は嘘つきになれるんだから、こういう映画でCGとか下手に盛ると、他もぜんぶ嘘に見みえる。
潜入捜査モノとしてのストーリーも、行き当たりばったりで雑な感じ。「オザキ8」の8つの試練のうち最初の3つは反社会的な行為なのに、主人公がチームに加わった後の試練は登山やスノボーになっちゃうので、エコなアウトロー集団の度胸試しにみえてしまった。
役者のガッツを撮ったにしては見せ方が上手くないし、大味アクションにも振り切れていない。本編よりメイキングの方が面白い映画だと思う。ストーリーがくっついてること、それ事態が蛇足っていう。