キューリ

人生タクシーのキューリのレビュー・感想・評価

人生タクシー(2015年製作の映画)
3.5
「映画」を撮れない監督が作る「映画じゃない映像」。パナヒ監督自身がタクシー運転手となり、ダッシュボードに置かれたカメラで乗客たちとの会話を淡々と写していく。

パナヒ監督はカンヌやヴェネチアなどの映画祭で賞を取るほどの才能ある監督。だけど09年に行われたイランの大統領選挙の抗議デモに加担したとのことで二度の逮捕、この先20年間は映画製作&出国禁止と言い渡される。違反と判断された場合、また拘留される恐れがある中、コツコツと作品を作り続けている…。

本作はドキュメンタリーのようでもあるけど、偶然とは思えない伏線があったり構成がしっかりしている。乗客それぞれが語る言葉はどれも本音のようで、口数の少ないパナヒ監督の心の内を代弁しているようにも見える。

国や政府が力ずくで抑圧しようとしても、人の心まではコントロール出来ない、という事をハッキリと写していて、「屈さない」と意思表明しているようでした。