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ルシファー・ライジングのAixのレビュー・感想・評価

ルシファー・ライジング(1972年製作の映画)
3.6
スコピオライジング、我が兄弟の悪魔の呪文などで知られるアングラ系実験映画監督の巨匠ケネスアンガーの作品。堕天使ルシファーの復活を描いた話。

俗に言う曰く付きの映画で、当初ルシファー役だった少年は空を飛ぼうとし屋根から落ちて死亡、代役のボビーボーソレイユは悪名高きマンソンファミリーに所属していた人物で、今作のフィルムを持ち逃げした上に、彼が獄中でサントラを手掛けるのに時間がかかったため、今作は正式に完成するまでに14年もの月日が流れてしまったそうです。因みにアンガーは最高傑作になると信じていた今作の撮影であまりにもトラブルが続き、映画界に嫌気がさして自らの死亡広告を打ったんだとか。内容に負けじと劣らず呪われた作品な今作ですが、高い音楽的な価値を秘めています。というのも今作の音楽はオリジナルを担当したマンソンファミリーであるボビーボーソレイユ版と、お蔵入りになったレッドツェッペリンのギターこと“ジミーペイジ”版が存在しているからです。元々はジミーペイジがサントラを作っていたらしいけど、これまたトラブルが起きて途中で降板、結局主役のボビーボーソレイユが担当することになっています。現在は両バージョンとも音楽ファンからも高い評価を得ているそうです。

他のアンガー作品に比べると今作はストーリーが分かりやすかったような。。。相変わらず映像がクールで良かったです。
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