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母の残像のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

母の残像(2015年製作の映画)
3.0
ヨアキム・トリアー監督(ラース・フォン・トリアー監督の甥)の長編3作目。
原題:Louder Than Bombs(意味:爆弾よりもうるさい)  (2015)

2年前、事故で、戦場(紛争地)写真家だったイザベル(イザベル・ユペール)を亡くした家族の苦悩と再生の物語。

~その家族~
・夫、ジーン(ガブリエル・バーン):二男とのギクシャクした関係に悩む。
・大学教授の長男、ジョナ(ジェシー・アイゼンバーグ:スピード出世。子どもが生まれたばかりだが、妻との関係がうまくいっていない。
・高校生の二男、コンラッド(デヴィン・ドルイド):母の死を引きずり、ゲーム(バーチャル)の世界に逃避。父に反抗する。

イザベルが57歳で亡くなってから2年、彼女の回顧展が開催されることになり、長男が父と弟の暮らす実家に戻って、久々の対面を果たす。
遺族である夫と息子2人はそれぞれ彼女の死を引きずっていた。
実は、イザベルの死は公表と異なり自殺だったが、二男には秘密だった。父は事実を話そうとするが、やがて、家族の知らなかった秘密も明らかになる…。

~その他の登場人物~
・夫婦の友人、記者のリチャード(デヴィッド・ストラザーン)
・二男の教師、ハンナ(エイミー・ライアン)
・長男の元カノ、エリン(レイチェル・ブロズナハン)
・二男の同級生、メラニー(ルビー・ジェリンズ)
・長男の妻、エイミー・リード(ミーガン・ケッチ)

「心を開け放ち、ありのままに向き合いたい。そうすれば伝わるのだ。たとえ言葉にしなくても」

「信念に従い夢に情熱を燃やし、突然、ふと、人生に疑問を抱く。真っ二つに引き裂かれた自分がいるんだ。
どちらかを選ぶこともできる。
そうだが、選んだ後どうなるか見当がつかない」

「疎まれているわけではないけれど、必要とされていない」

写真の回顧展を機に、残された家族や観客は彼女の実像を知ることになる。
仕事で成功し家族にも愛されていたのに、仕事と家庭の間で疲れきって自分の居場所を失くしてしまったのだ。
そして、残された者たちは、喪失感に苛まれ問題を抱えてしまったとしても、いずれ、それを乗り越え、人生を再生していかなければならない。
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