ハレルヤ

母の残像のハレルヤのレビュー・感想・評価

母の残像(2015年製作の映画)
3.4
有名な戦争写真家のイザベルが亡くなって3年後。彼女の夫と同僚、息子たちが回顧展を開こうとする。そこで浮かび上がる彼女の死の真相。残された家族はその事実と向き合う事になるドラマ。

うーん、思ってたのと違った。戦争写真家で亡くなったと聞いたら、てっきり戦場で巻き込まれたのかと勝手に思ってたら交通事故死。その死の裏側では不倫が絡んでたと言う事実も、ちょっとガッカリ。僕のストーリー認識の甘さのせいでもありますが。

そんで父も次男の担任の先生と如何わしい事してるし、長男も妻子おるのに元カノと良い感じになってるしで、何してんのよと思うことばかり。一番ふさぎこんでいた次男がまだ比較的マトモというね。

ただキャスティングは満点に近いくらい。イザベルにはイザベル・ユペール。回想シーンだけの出演でも存在感抜群。名女優らしさを本作でも十分発揮。夫にはガブリエル・バーン。長男にはジェシー・アイゼンバーグ。この2人も安心感のある演技を見せてくれます。

個人的には次男を演じたデヴィン・ドルイドの演技が一番心に残りました。高校生で母の死をまだ受け入れられず、引きこもりがちでネットゲームに没頭。複雑な心境のまま学校生活を送る難しい役柄でしたが、危うい雰囲気を常に醸し出した演技は素晴らしかったです。今後も注目したい若手俳優ですね。

作風はかなり静か。驚きの展開も無いのでキャストの演技目当てくらいじゃないと楽しめないかもしれません。個人的にはもう少しパンチが欲しかった。
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