停滞

母の残像の停滞のレビュー・感想・評価

母の残像(2015年製作の映画)
3.8
実に北欧らしい映画だと思う。BGMをほぼ使わないで、自然音や衣擦れの音だとか微かな音がメインで使われて、人と人とのやりとりをメインに映し出す感じ。そういうイメージを持っているだけかもしれぬが。

今作のテーマは家族で、戦争写真家の妻は事故で死んだことになっているが、彼女の大回顧展が開かれるにあたって本当は自殺であったことをまだ若いコンラッドにうけあけるかってのを軸に彼の周りの母・父・兄含めた家族のあり方が問われる。

自分なりの解釈を含めれば、スワヒリ語の「サファリ」とは「旅」を、 そして「音信不通になること」を意味するらしいのですが、彼女が旅に行くことは音信不通になることに加え、帰ってこないかもしれない不安があり、また兄は妻からの電話に対して嘘の返事をし帰るはずが途中で寄り道をしたり、っていうのがある中で、家族はもっと一つの場所で一緒にあるのが望ましいのではないかと主張しているように思う。とは言ってみたものの、それだけじゃないだろうなぁという印象。

そして叔父がラースフォントリアー監督とな。
停滞

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