ゆみな

母の残像のゆみなのレビュー・感想・評価

母の残像(2015年製作の映画)
3.3
ラース・フォン・トリアー監督の甥のヨアヒム・トリアー監督の映画なんだって。

レンタル屋さんでジャケ借りしたんですけど、これ意外と好みの作品でしたね。

亡くなってから3年が経とうとしている母親(イザペル・ユペール)は、戦場写真家だったんですよね。没後3周年の記念に彼女の回顧展が企画され、残された家族3人が改めて母の死と向き合うことになる…っていうのが簡単なあらすじ。
母の回顧展で明らかにされる母の死の真相を、父と兄は知っているけど弟だけ知らないんですよね。そこをどう伝えるのか…どう乗り越えていくのかがこの物語の肝なのかな…って思う。この弟を演じているデヴィン・ドルイドがとても良くて!周りには理解し難いような思春期特有の空気を感じさせてくれるんだよね。彼は「13の理由」でも気になっていたので、この映画で観れて嬉しかったな。そして、兄役のジェシー・アイゼンバーグがね、今までとはちょっと違うような少し大人の繊細な役なんですよね。弟を優しく諭しながらも、自分の中でも葛藤してる難しい役どころを見事に演じていて素晴らしかったですよ。なんか、こういう時って浮気しちゃうよなぁ…って凄く納得。

私が好きだったシーンは弟の書いた詩を映像化してるとこと、弟が好きな子と夜明け前に歩く帰り道。ランチの約束のくだり…そうなる未来が想像できてほろ苦くて切ない気持ちになった。

母の死でバラバラになっていた家族を、再び繋げたのも母の存在だったってのがね、やっぱり母は偉大なんだと当たり前に思った。ちょっと後引く映画でした。ヨアヒム・トリアー監督は注目していきたい監督ですね。
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