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母の残像のColのレビュー・感想・評価

母の残像(2015年製作の映画)
4.0
いやこの映画、いろんな意味でお手上げだ。
・・・そしてワクワクした。

この作品を観たきっかけは、ヨアヒム・トリアー監督の最新作『テルマ』を観て、こんなすごい監督が世に出ていたなんて・・と思ったので。最新作と見比べたが、洗練された映像美は共通点だが全く異なる2作の振れ幅の差に驚く。終始この映画では捉えどころのない浮遊感のようなものを感じた。居心地は消して悪くない。登場する4人の家族の日常が切り取られるのだが、その会話も夢の話であり、妄想であり、猜疑心だったりする形でそれぞれのパーソナルを紹介されていた。時系列を変え細切れにさせたストーリー、MVのような非現実的映像と痛烈なほどリアルの映像写真、2点の視点から語られるワンシーン等、また解りづらくも、その歯痒さが観る者を楽しませる映像手法がちりばめられていた。登場人物の不安定な心を一緒に体感するかのような作り。残念ながらこの作品をみて最後に大きなもやもやが残った。このレビューを書いた後にこの映画の解説を見たいと思う。ただ結局は「家族」だったんだな・・それくらいはわかった。

ヨアヒム・トリアーの虜です。
これからも間違えなく彼の作品を見続けます。
それくらいいい映画。
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