シュローダー

アクアマンのシュローダーのレビュー・感想・評価

アクアマン(2018年製作の映画)
3.3
ニコールキッドマンはいくつになっても美人だなぁ… という事しか覚えていない。観たのはつい数時間前のはずなのに。あの悪名高きDCEUにしては眼を見張る絶賛を浴びていたので、期待して観に行ったが、全然ハマらなかった。たしかにアクションは見応えがある。ジェームズワン監督十八番の「狼の死刑宣告」「ワイルドスピード SKY MISSION」で見せてくれた、細かいカット割りをしない長回し。シチリアのシーンはその典型だろう。すぐ終わってしまうのは残念だったが。アメコミ映画としてのケレン味を湛えたシーンの構成も他のアメコミ映画より美しかった。良いところはそれぐらい。後はもう純粋にかったるい。「マイティソー バトルロイヤル」から脚本の出来とコメディセンスを抜いたシナリオは、非常に既視感あるコッテコテの英雄神話。何が辛いって、主人公アーサーとその相棒メラの掛け合いが絶望的につまらない事。「ハンソロ」でも感じた事だが、役者同士のアンサンブルが感じられない映画程、見ていて面白くない物はない。せっかく脇の役者…パトリックウィルソン ウィレムデフォー ドルフラングレン ニコールキッドマンは素晴らしかっただけに、非常にもったいない。また、アーサーがヴィランに死の淵まで追い詰められる様な場面が無い為、特にブラックマンタさんが非常に弱く見えてならない。せっかくカッコいい装備をしているのに。ウィレムデフォーが結局戦わないのも非常にガッカリしたポイントである。僕のツボを後少しのところで外してくる様な映画だ。そして腹が立ったのがエンドロールの歌。あの歌を聴くと、なんだか狐に化かされた様な気分になる。本編の出来よりも良い映画の様に感じてしまうのがムカつく。この映画の好きでもなさが増してしまった。総じて、何故これをあそこまで激賞している人が多いのか、全くわからない。ラスト付近のCGバトルも、今の世の中誰が撮っても同じような場面になるので、非常に凡庸に見える。まあ、僕の様な人間が当たり屋的に文句を言ったって仕方のない映画だ。好きな人が居ても全然良いと思います。