『とにかく豪海な娯楽アクションアドベンチャー！』
DCコミックスのスーパーヒーロー・アクアマンの実写映画作品にしてDCエクステンデッド・ユニバースの第6弾。
地上への侵攻を目論むオーシャン・マスター率いる海底都市アトランティスに対して、アトランティスの女王と人間の間に生まれたアクアマンことアーサー・カリーが立ち向かう。
監督は『SAW』『死霊館』『ワイルド・スピード SKY MISSION』などのジェームズ・ワン。
出演はジェイソン・モモア、アンバー・ハード、ウィレム・デフォー、パトリック・ウィルソンなど。
『ジャスティス・リーグ』から約一年ぶりのDCEU最新作。
前作の『ジャスティス・リーグ』が興行的にうまくいかず、なんとか勢いをつけたい本作だったが、まさしくその勢いを一気にあげるような作品に仕上がっている。
まずは何と言っても映像の美しさ。DCEUは全体的に暗いイメージが強い作品が多く今回も深海の薄暗さがあるが、その中で輝く透き通った光の美しさが素晴らしい。本編の半分くらいは海の中だからこの美しい映像を「もうお腹いっぱいなんだけどww」と思うぐらい堪能できる。
次にアクションシーン。
『ジャスティス・リーグ』でも良かった水中戦は見せ方のバリエーションも豊富だし、周りの水の動きがどれも素晴らしい。
終盤の決戦シーンはもはや『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』よりド派手な大戦争になっていてとにかく豪快。
地上でのアクションも中盤の街中でのチェイスもアーサーよメラのそれぞれの位置関係が分かりやすい見せ方が上手い。
『ワイルド・スピード SKY MISSION』でもやってた回転カメラでの長回しアクションもてんこ盛り。
反面ストーリーは正直かなり雑。
ドラマ性はやや薄くツッコミどころも多いが、とにかくテンポが良く豪快なアクションの連続なのでストーリーの雑さを気にする間もないほどの勢いがある。
キャラクターだとアンバー・ハード演じるメラと二コール・キッドマン演じるアトランナといった女性陣の衣装がすごく美しい。
もちろん主役のアーサーも魅力的に描かれていて、あのいかつい顔が笑うとめっちゃ可愛いww
悪役もDCEUではベスト級でオーシャン・マスターもいいけど、個人的にはブラックマンタが好き。今回1番ドラマ性が高かったのブラックマンタな気がする。
似たような内容のMCU映画『マイティ・ソー』や『ブラックパンサー』などと比べる脚本の完成度ではだいぶ差があるが、それを補って余りあるほどのパワーと勢いのある作品だった。このちょっと雑だけど豪快なところはアクアマンというキャラクターとも合っていてこれで正解だったと思う。
DCはスーパーマンとかワンダーウーマンも多少雑でもいいからこういうとにかくド派手で勢いのあるタイプの作品の方があってるんじゃないかな？辛気臭い話はバットマン辺りに任せておけばいいんだよ(雑)。
とにかく、個人的にはDCEUの中では最高傑作だと思うぐらい楽しめた作品だった。最近頭を空っぽのして楽しむタイプの作品がなかったのもいいタイミングだった気がする。
本作をキッカケにDCEUがさらなる勢いをつけて『ジャスティ・リーグ』の続編をやってくれることを願う。
次回作の『シャザム』もかなり期待できそう。
