アキラナウェイ

アクアマンのアキラナウェイのネタバレレビュー・内容・結末

アクアマン(2018年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

観終わった後の感想は、ただただ「ごめんなさい」。
本国アメリカの前評判も上々、Filmarksでも高評価連発。
なのに僕には合いませんでした。
楽しみにしていたのになぁ…。

海底国アトランティスの女王と地上の灯台守との間に生まれたアーサー(ジェイソン・モモア)が、異父兄弟オーム(パトリック・ウィルソン)の地上人侵略を阻止し、アトランティスの王になるまでを描くDCエクステンデッド・ユニバース6作目。

▶︎何が合わなかったのか?

海中のシーン全般…。

Oh!F○○k!そんなのアリかよ!?
お前が観たのは、「アクアマン」だろうがよー!?

ハイ、そうです。間違いないです。

CGで描かれた海中大戦争が、僕には1番しんどかった…。
この映画を観て自覚したけど、僕はCGで描かれる大規模な戦闘シーンが苦手なんだな、きっと。

▶︎何故なのか?

僕がアクション映画に求めたいのはリアリティ。
一撃の重さとか、飛ぶ、落ちる、泳ぐといった行動に伴う空気抵抗とか重力とか水流、水圧とか。

この世の物理法則を無視した描写が少しでもあると、小さな違和感が生まれ、映画に没入出来なくなってしまう。

地上のシーンはめちゃめちゃ良かったけど、海中に潜るとテンションが下がる…。

▶︎他に言いたい事は?

いや、あの、すみません。

例えば、「魔女の宅急便」で魔女は「血」で飛ぶ。
「ドラゴンボール」で悟空は「気」で飛ぶ。
じゃあ、この映画において、海底人達が猛スピードで水中を進む推進力は何??

突拍子も無い理由でもいい。彼らが水中を自由に動き回れる根拠が欲しい。

アーサーが弾丸をも受け付けない鋼の肉体を持っているのは何故?なのにアーサーの母である女王(ニコール・キッドマン)が怪我をしていたのは何故?アーサーもメラ(アンバー・ハード)も地上で口呼吸が出来るけど、海底人達は口呼吸が出来ないのは何故?

小さな疑問が次々浮かぶけど、何ら説明はなく、豪快なアクションで「んな細かい事は気にすんな!」とモモアが笑う。

あと、ストーリーが停滞し始めると、敵の襲撃による爆破シーンで強引に話を進めていくやり方。

…これ、4回もありましたよ。

海底の七つの国、種族を全部描くのは流石に詰め込み過ぎかと。

食べるものは同じでも、超特盛全部乗せ海鮮丼を口に掻き込んで食べたいか、豪華刺身盛り合わせをお茶碗片手に一つ一つ味わいながら食べたいかの違い。僕は後者で食べたかった。

▶︎じゃあ、良いところはなかったんか?

あ、ありましたよー!!

ジェイソン・モモアはハマり役だし、キャラクターとしても魅力的!シチリア島でのバトルシーンは屋根の上を逃げると同時にその下を敵が追い掛けるという、空間を意識したアクションは見応え十分!海賊のブラックマンタとのバトルもラストの一撃を含め、僕の好きな「重さ」を感じられるアクションだったので好印象!あ、あとラストのご両親にはホロリときました!親子エピソードは良かったー!

…とどのつまり。

アクアマンには地上で戦って欲しかったという身もふたもない結論に至ってしまう。

ああ、ごめんなさい。

最後に、僕が言いたい事をジェームズ・キャメロン監督が代弁してくれていたので、ここに載せておきます。

「私は1000時間は水中で過ごしてきた。『アクアマン』を楽しんだが、本物らしく見えないから共感はしなかったよ」

ああ、僕も本当は大満足で劇場を後にしたかった。
あくまで個人の捉え方の問題とは言え、大多数の人達と同じ感覚で楽しめなかったのは実に残念。